変則決算とは?決算期変更で前期比が「-」になる理由と見方

変則決算とは

変則決算とは、決算期の変更などにより会計期間が12か月と異なる決算のことです。期間の長さが前期と違うため、決算短信では前期比の増減率が「-」(記載なし)になります。

計算式

12か月換算(目安)= 実績 ÷ 会計期間の月数 × 12

使い方

  • 前期比が「-」の決算短信で、期間の長さを確認する
  • 12か月の決算の値と、変則期の値を分けて見る
  • 決算期変更のあと、翌期から12か月どうしで比べる

注意点

  • 期間が違う売上・利益・配当をそのまま比べて増減を判断しない
  • 12か月換算は毎月同じペースで積み上がる仮定の目安にすぎない
  • 変則期のEPSで計算したPERやROEは、12か月の決算の値とは比べにくい

変則決算とは

変則決算とは、会計期間が12か月ではない決算のことです。多くの会社は1年(12か月)を1つの事業年度としますが、決算期を変えたとき、設立して最初の期、合併や持株会社への移行があったときなどは、期間が12か月より長くなったり短くなったりします。「17か月決算」「5か月決算」と呼ばれるのはこのためです。

決算短信を開いて、前期と比べた増減率が「-」になっていたら、変則決算を疑うのが近道です。前の期と今の期で期間の長さが違うと、売上や利益を並べても「伸びた」「減った」を正しく言えないからです。

なぜ前期比が「-」になるのか

決算短信では、増減率の欄は前期と同じ長さの期間で比べられるときだけ書きます。期間が違うと比べる意味が薄いので、増減率を記載せずに「-」とするのが通例です。たとえば前期が12か月、今期が17か月なら、今期は5か月分多く売上が積み上がっているので、そのまま「増収」とは言えません。

ラジ株ナビも同じ考え方で、今期と前期の期間の長さが違うときは増減を判定しません。数字は短信に書かれたとおり載せますが、「前期より増えた」「減配」といった印は付けません。

実例で見る変則決算(2026年)

燦ホールディングス(9628)の2026年8月期は、決算期を3月から8月に変えたため、2025年4月1日から2026年8月31日までの17.02か月の決算になりました(前期は2024年4月1日から2025年3月31日の12か月)。売上高は577億円(57,736百万円)、EPSは208.74円で、前期の売上高は320億円(31,984百万円)、EPSは230.96円です。短信では売上高などの増減率が「-」になり、ラジ株ナビでも期間の長さが違うため比べられない扱いです。TDnet 2026-10-15 開示。

abc(8783)は逆に、前期のほうが短い例です。2026年8月期は12か月、比べる前期は2025年4月1日から8月31日までの5.03か月で、売上高は今期26億円(2,603百万円)、前期11億円(1,109百万円)でした。売上が約2.3倍に見えますが、期間は約2.4倍違うので、伸びたとは読めません。TDnet 2026-10-15 開示。

ショーケース(3909)の2026年3月期は、2025年1月1日から2026年3月31日までの14.95か月です。前期は12月決算の12か月でした。TDnet 2026-05-15 開示。変則決算になる理由は会社ごとに違いますが、決算期の変更が代表的です。短信の「会計期間」の欄に、期間の開始日と終了日が書かれています。

12か月に直して見る方法と、その限界

大まかな規模を知りたいときは、実績を月数で割って12を掛けます。燦HDの17.02か月の売上高577億円なら、577億円 ÷ 17.02 × 12 で約407億円です。この計算は、売上が毎月同じペースで積み上がったと仮定した目安にすぎません。

実際は、季節の波や決算期変更に伴う一度きりの費用、特別損益が混じります。会社予想は12か月で出ているので、燦HDの2027年8月期(2026年9月1日から2027年8月31日)の売上高予想491億円(49,100百万円)は、12か月に直した約407億円と並べる目安にはなります。ただし按分の仮定が入るため、「予想は約2割の増収」と断定する材料にはしません。厳密に比べたいときは、会社が開示する12か月の参考数値や、四半期ごとの数字を使います。

PER・ROE・配当はどう見るか

PERやROEのような指標は、利益が12か月分であることを前提にしています。17か月分の利益で作ったEPSはPERを実際より低く、5か月分の利益ならPERを実際より高く見せます。ラジ株ナビの個別株ページは、最新期が12か月でない会社の主要指標を、直前の12か月の決算の値で計算し、「○か月決算」と表示して区別しています。

配当も同じです。燦HDの2026年8月期の年間配当は57円(17.02か月分)、前期は37円、来期予想は41円です。しかし期間が違うため、「増配」「減配」の印は付けません。年間の配当額を比べるときは、月数あたりに直すか、会社が示す配当方針(配当性向など)で見ます。

データの出所

実例の数値は、TDnet の決算短信(2026年)をもとにラジ株ナビが整理したデータ(2026年10月23日時点)から取っています。対象は燦ホールディングス(9628)の2026年8月期、abc(8783)の2026年8月期、ショーケース(3909)の2026年3月期です。12か月への換算は単純な按分による目安です。特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。

よくある質問

変則決算とは何ですか?

会計期間が12か月ではない決算のことです。決算期の変更、設立初年度、合併などで起きます。決算短信では、前期と期間の長さが違うため増減率が「-」になるのが通例です。

変則決算の年の配当は、前期と比べて増配・減配と言えますか?

期間が違うので、そのままでは言えません。燦ホールディングス(9628)の2026年8月期は17.02か月分の年間配当57円で、前期は12か月分の37円でした。ラジ株ナビは、期間が違うときは増配・減配の判定をしません。

変則決算の年のPERやROEは参考になりますか?

利益が12か月分でないため、そのままでは比べにくい数字です。12か月の決算の値で見るか、「○か月決算」と分かる形で、単純な按分の目安として扱うのが安全です。

関連用語

データの出典と更新

この用語解説はEDINET財務データ、決算書分析、株式投資で一般的に使われる財務指標の定義をもとに整理しています。最終更新日: 2026-11-01。

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